作品名
彫三島茶碗
作家名
向栄会職方 韓国駕洛窯・楽山窯 清水久嗣作
寸法
径14.3cm 高6.9cm
箱
共箱
三島茶碗について
三島の茶碗とは朝鮮の刷毛目(はけめ)と云う茶碗の中で三島暦(みしまこよみ:静岡県の三島神社で昔発行して居った暦の細い字がヨレヨレに書いてあった)の文字に似た模様が茶碗の内外に白土で象嵌されていた手を三島、又この三島模様の上に刷毛目がのこるものを三島刷毛目と云います。また、茶碗の内側が三島模様で外側に刷毛目のあるものを二つの作行きがあるので二作(にさく)、外側が刷毛目でなくドップリと白釉が粉吹(こふぎ)の様にかかり、内側に三島模様があり、更にその上に刷毛目のあるものを三作(さんさく)と言って尊ばれています。この外に、三島は全部型押しで模様を入れておりますが箆(へら)で彫りつけて檜垣のような模様を内側に二段か三段あり、その下に花模様が、これは型で押して二段位あり、中央に花が一つある茶碗を特に彫三島(ほりみしま)と言います。この手はその檜垣のような模様が特色で、ほかの模様はありません。但し花の押型は内側のみで外側にはないのが通例になっていますが、天下に三つだけ外側檜坦二段の下に一段花型が押してあります。これを外花(そとはな)と称して特に珍重します。
戦前には一つは永坂の三井家、もう―つは馬越家にあり、今一つは大阪の鴻池家にありました。三井家のは総体に青味が多く少し硬い感じのする焼け方であり、馬越家のはニュウがありましたが高台内に土を後からつけたのが景色になり、青味もあり赤味もある釉立で佗び出来で面白い茶碗でした。元来彫三島と云う茶碗は初風炉(しょぶろ)の茶事には絵高麗梅鉢の茶碗と共に第一位に位する茶碗で墨蹟にも取合いますが特に古筆なら寸松庵色紙でも継色紙でも取合うだけの格式の高い茶碗です。
作品説明
本作品は、向栄会職方
清水久嗣氏の作品で彫三島写しです。箆で彫りつけた檜垣模様が内側に三段、その下に花模様が二段、中央に花が一つ、白土を埋め込んで象嵌しています。焼成 によって青色のものや赤色のものがありますが、茶人の間で珍重されるのは抹茶の色が良く映える後者です。一体が赤色で、所々茶褐色に窯変しており、大変景色が綺麗な茶碗です。高台は竹節で目跡があり、高台内は渦状になっています。高台脇に「久嗣」の印が押されています。素晴らしい作品です。
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